ESCORT AI
Escort AI -顧客対話AI-
顧客対話とは、企業が顧客接点のフロントライン(実店舗やSNS)で行う、サービス空間での顧客との対話を指します。店舗の接客者が顧客からの要望に対話で応えることで、顧客満足度を高めサービス利用を促進します。
顧客が従業員との対話を強く求めるシーンの特徴は「顧客は不安定な心理状況に置かれている」ことです。
- 「どう進めればよいか分からない」: 例)予約受付に来たはいいが、予約のQRコードが手元になく、どうすればいいかわからない
- 「自分で解決しようとするができない」:例) 特定の商品を探したいが、店舗内のどこにあるかわからず右往左往する
- 「よくわからないので利用しない」: 例)ECサイトに気になる商品があるが、アレルギーに関する記載がないので、買うべきか迷う
こうした「その人の事情への配慮」と「その事情に適した手続きの提供」は、セルフサービス機では対応できず、企業に有人対応の準備を強要します。そのようなシーンでは、
「様々な事情を持つ顧客の、事情を察して・聞いて・理解して、適切な手続きに乗せてエスコートすること」
が必要です。
- 様々な方々の事情を高速に察して、自発的に声をかけること
- 不安でいっぱいの顧客を待たせないように高速に応答すること
- 事情やトラブルの内容を正しく聞いて、適切な手続きに乗せること
AI Lab では、そうした 顧客に寄り添う対話AI「Escort AI」 の開発に取り組んでいます。
Escort AI (Robot ver.) 動作デモ
会議室受付シーンにおいて、顧客の言語/非言語の振る舞い・属性の理解、高速で適切な応答、十分な知識と機能実行等を行っています。
Escort AI の特徴
1. 顧客の属性・行動の高速な認識
相手の事情を理解するために、人の状態や属性(困難状況や交通弱者など)、些細なジェスチャー(手振り・指差しなど)を高速に認識します。およそ 50ms 〜 100ms の間に終わるジェスチャーも外乱(明暗差やBlur)が多い状況下でも認識できます。また、同一人物のトラッキングにより「誰と何の話をしたか」を記憶します。
2. 接客の常識を踏まえた行動判断
顧客が店舗に来られたらアイコンタクトをしてお辞儀をする、常連の方が手を振られたら振り返す、手伝いが必要そうであれば声をかける、顧客からの要望には幅広い知識から応える。いずれも「接客の常識」であり顧客を迎える当たり前の行動ですが、実は高速で高度な状況認識と行動判断が必要な複雑なタスクです。その中には、一瞬の動作に即座に反応することを求められる行動と、少なくとも数秒の猶予が許される一方で正確な内容が求められる行動が含まれます。Escort AI では精度と速度を両立させるため、速度または精度に特化したいくつかの行動判断AIを組み合わせることで高パフォーマンスな行動判断を実現します。
3. 従業員との連携で業務知識をアップデート
顧客対応業務では、時事刻々と方針や情報が変わります。イベントやキャンペーン等の期間限定の取り組みや季節ごとに変わる商品、トラブルで一時的に利用できないサービスなど、変化する現場業務の情報をあらかじめ全て準備することは不可能です。Escort AI は従業員との対話インタフェースを備え、そのような業務知識や対応方針の変更、現在の情報の不備を従業員とコミュニケーションし、顧客対話のための情報をアップデートします。
インタラクション事例
配送ロボットのイレギュラー対話
配送ロボットや掃除ロボットなどの移動型サービスロボットでは、イレギュラーな状況でタスク遂行が不可能になった際に、現場か遠隔監視の係員が対応する必要があります。EscortAI はマルチモーダルな入出力を制御可能なため、周囲の顧客と対話によって移動制御をはじめとする様々な問題解決を図ることができます。
Escort AI の活用シーン
小売店舗や商業施設だけでなく、医療施設や公共施設など様々な顧客対応のシーンでご利用いただけます。従業員からの知識追加の対話で賢くなるので、店舗立ち上げ期や多言語案内、想定外の状況への対応など、柔軟な対応が必要な顧客対話にて活躍します。
一緒に世界を変える仲間を募集しています
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